ここで皆さんに訴えたいのが、「かかとから着地する歩き方は危険！」ということです。正しい歩行は”かかとから着地する”ということが、今でもテレビや雑誌、有名モデルさんまでもが口を揃え実践されていますが、実はこれは一番危険な歩き方なのです。 例えば、わずか１５㎝位の低いところから飛び降りる時に、かかとから着地しようとする人はいないでしょう。１００人中１００人が身体を丸め、足裏全体で着地の一番安全な体勢を取るはずです。かかとから着地したら、ドーンという過剰な衝撃をそのまま脳へ伝えてしまうという危険を本能的に知っているので防御しているのです。 かかとから着地するウォーキングを実践して、その後、ひざや腰の痛み、あるいは首の不調からくるめまい・頭痛・肩コリなど自律神経失調状態などが起こり、かえって調子が悪くなる方の多さに胸を痛めています。 そのいい例として、大型犬の散歩です。大型犬の散歩は、ぐいぐい前に引っ張られるため、無意識にひざを伸ばしてかかとから着地して全体重を後ろに片寄らせることで引っ張られないようにします。これを３か月位続けていると、ひざや腰・首などの痛みやめまいなどが起こってくる人たちが多く見られるのです。 重力という絶対的な支配下の中で生きている私たちは、足裏に安定機能、免震機能、運動機能という３つの機能を備えもっているために、健康な身体と美しさを維持して生きているのです。そして、これらの３つの機能は、”足指””指の付け根””かかと”の３点をバランスよく使って歩くことによってのみ、発揮されます。 かかとから着地をすれば、全体重の約３倍もの重力が繰り返し加わります。その上、３つの足裏の機能が働かないので、地面からの過剰な衝撃とねじれをまともに上半身に伝えて、害になってしまうのです。 現代人に激増している「外反母趾」と「浮き指（指上げ足）」「扁平足」は、足指を使わずに”かかと”と”指の付け根”の「２点歩行」となっているため、重心がかかとに片寄っています。残念ながら、無意識のうちにかかとから着地することを余儀なくされている状態なのです。ですから、誤った先入観を取り除いて、正しい歩行に重要な”踏ん張る力”を認識することが大切です。