もうひとつ、ここで述べておかなければならない重要なことがあります。
外反母趾や浮き指(指上げ足)などで歩く女性は、真っすぐに地面を蹴ることができないので、身体の上部にゆがみをつくってしまいます。これは、地震で言う「横揺れ」であり、足の変形や踏ん張り方に左右差があると益々そのゆがみは大きくなります。
積み木で考えると分かりやすいと思うのですが、一段目がずれたら、一番上は逆側にずらしてあげることがもっとも効率よくバランスを取る方法ですよね。
そして、人間は”歩く”という行動をとるため、正常なアーチが消失傾向になっている悪い足は、地面からの過剰な衝撃波とねじれ波という有害なストレスを吸収無害化できないため、てっぺんである首に多く伝えてしまうのです。 特に、「頭蓋骨と頚椎1番の接続部」に反復してゆがみを起こし、またゆがんだところに”ドシンドシン”という縦揺れを受け続けて変形させてしまうのです。
この部分には、たくさんの自律神経が通っています。首の骨が変形すると、自律神経を圧迫・刺激するため、自律神経を誤作動させてしまうのです。これが自律神経失調状態につながるのです。1回のストレスは弱いので感じ取ることはできませんが、知らぬ間に長年の悪い歩行により繰り返されると蓄積され、震度7・8位の巨大な破壊のエネルギーになるのです。それが、首の変形を引き起こし、自律神経を誤作動させた結果、免疫系・内分泌系の働きなどを鈍らせてしまうのです。これが、「足と自律神経との関係」なのです。
自律神経系には、交感神経と副交感神経の2つの神経があります。身体の様々な状況に対応するため、ギヤを自動的に切り替え、それぞれのホルモンを出して体の各器官を安全に導いたり、常に正常に保つ働きをしているのです。
食欲に関しては、交感神経が活発になると食欲は低下し、逆に副交感神経が活発になると食欲が旺盛になります。
外反母趾・浮き指・扁平足など足裏の不安定は、頚椎と頭蓋骨の接続部(視床下部)にストレス(負荷)を繰り返し伝えてしまうため、これに対し自律神経が上手く切り替えられず、ギヤが車でいうトップかバックに入ったままの片寄った状態、つまり壊れた状態になりホルモンが過剰になったり少な過ぎたりして、その結果、様々な症状が起こってくるわけです。
日常においても、片寄った身体の状況、つまりストレスが続くとこれに対応するため、視床下部や脳下垂体からストレスホルモンと呼ばれるコレチゾールホルモンが出て、心拍数の上昇や血圧も高くしてしまい、更に不安感やイライラした精神状態にもなって神経も過敏になってしまいます。神経過敏から不必要な緊張状態に陥り、この緊張状態が続くと胃酸も多くなり、胸やけや腸にも異常が起きて便秘や下痢のどちらかかに片寄ったり、その両方を繰り返す人もいるのです。
このような危機的状況から身体を守ろうとして、本能的に食べることでエネルギーを蓄えて回復しようとする働きによっても、肥満になってしまうのです。ですから、肥満の多くは生活習慣病のいくつかを併発している場合が多いのもこのためです。
このような理由からも足裏のバランスを整えた上で、正しい歩行による「足裏バランスダイエット」が数あるダイエット法の最初に来なければならないのです。
足裏のバランスを整えた正しい歩行によって、多くの人が自律神経の回復と共に血糖値が下がり、自然に満腹感も得られるダイエットと共に生活習慣病も改善しているのはこのためなのです。
これが、足裏バランスダイエット法の2番目の法則なのです。